家庭の記憶を博物館で残す方法
展示ケースに入らないものを、どう残すか 資料整理をしていると、立派な作品や古い公文書よりも、扱いに迷うものの前で手が止まることがあります。たとえば、商店の包装紙、家計簿の切れ端、町内会のお知らせ、誰かの字で店名だけが書かれた小さな紙片。単体では、展示の主役になりにくいものです。 けれど、そういうものに生活の輪郭が残っています。紙の大きさ、折り目、鉛筆の濃さ、裏面のメモ。そこから、何を買い、誰に知らせ、どのような順番で一日を過ごしていたのかが、少しだけ見えてきます。もちろん、...