Cosmos47.

校正で残すべき文章とは何か

先日、近所の店の小さな案内チラシを校正しました。営業時間と住所だけの簡単なものですが、店主さんが手書きした文章の「夕方は少し静かです」という一文が残っていました。情報としては必須ではないので、最初は削ってもよさそうに見えました。

直すことと残すこと 組版の都合で行を詰める必要があり、何度か文字を動かしました。それでも、その一文だけは残しました。読んだ人が店の様子を少し想像できるし、店主さんが伝えたいことでもあったからです。校正では、誤字や数字の間違いを見つけるだけでなく、書き手の声を不用意に薄くしないことも大事だと思っています。

紙に出してから気づく違和感 画面では自然に見えた行間が、紙に刷ると妙に詰まって感じられることもあります。逆に、少し余白があるだけで読みやすくなる場合もあります。赤字が少ないことより、印刷されたあとに迷わず読めること。その基準は、たぶんこれからも変わりません。

More posts by 藤井 直人